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上野誠の万葉歌ごよみ
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歌ごよみ!
上野誠コラム
上野誠の万葉歌ごよみ
毎週土曜日 朝 5:30〜5:45

上野誠(奈良大学文学部教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサーブログ
utagoyomi_p@mbs1179.com
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」

【2018年9月29日 放送分】
【2018年9月15日 放送分】
【2018年9月8日 放送分】
【2018年9月1日 放送分】
【2018年8月25日 放送分】
【2018年8月18日 放送分】
【2018年8月11日 放送分】
【2018年8月4日 放送分】
【2018年7月28日 放送分】
【2018年7月21日 放送分】
上野誠の万葉歌ごよみ-上野誠コラム
【2018年9月29日 放送分】
2018年9月29日
【巻】3・408

【歌】…石竹(なでしこ)のその花にもが 朝な朝な
    手に取り持ちて恋ひぬ日無けむ

【訳】…あなたがあの石竹であってほしい、そうすれば毎朝毎朝、
手に取って愛しまない日はないであろう

【解】…この歌は、恋人に贈る歌、ラブレターです。
にもがとは、願望を表すもので、なでしこの花であってほしいという意味です。
恋ひぬ日とは、恋しく思う日のこと。
なでしこの花は、庭にあって可憐に咲いて、誰にも知られないうちに散っていくもので、愛おしく奥ゆかしいもので、でしゃばらないけれど気になる存在を表している。
この歌は大伴家持と坂上家の大嬢(おほいらつめ)の恋の歌で、なでしこの花のような愛おしさが感じられる歌です。

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上野誠の万葉歌ごよみ-上野誠コラム
【2018年9月15日 放送分】
2018年9月15日
【巻】10・2279

【歌】…わが里に今咲く花の女郎花(をみなへし)
    堪(あ)へぬこころになほ恋ひにけり

【訳】…わが里に今咲いている女郎花の花
    心はどうすることもできず、ますます恋しく思ってしまう

【解】…女郎花は、ゴージャスではない可憐な花。
    堪(あ)うとは、我慢することのできない、会いたいけど会えない恋しい気持ちです。
なほ恋ひにけりは、恋心を押さえることができず気持ちが高まる様子です。
この歌は、女郎花のような恋人ができたものの、今は会えないという事情があるのではないかと想像できます。
歌というものは、その人の心の中にあるさみしい気持ちが原動力となり詠むものなのかもしれません。

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上野誠の万葉歌ごよみ-上野誠コラム
【2018年9月8日 放送分】
2018年9月8日
【巻】8・1538

【歌】…萩の花 尾花葛花なでしこの花
    女郎花また藤袴朝顔の花

【訳】…萩の花 尾花、葛花、なでしこの花
    をみなへし、また藤袴、朝顔の花ですよね

【解】…秋を代表する7つの花を詠んだだけの歌です。
子供などが指を折りながら7つの花を覚えやすいようにしているとてもシンプルな数え歌です。
秋のお出かけの際に、ぜひこの7つの花を見つけてみるのも良いかもしれませんね。
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上野誠の万葉歌ごよみ-上野誠コラム
【2018年9月1日 放送分】
2018年9月1日
【巻】10・2167

【歌】…秋の野の尾花が末(うれ)に鳴く百舌鳥(もず)の
    声聞くらむか 片聞(かたき)け我妹(わぎも)

【訳】…秋の野の尾花の穂先でなく百舌鳥の声
    そのもずの声を聞いているであろうか、しっかり聞いてよ、お前さん

【解】…尾花の尾は、きつねの尾っぽに似ていて、お稲荷さんは元々は農業の神様で、
豊作を祈るものであった。
そのような意味から、秋の花として、尾花は収穫前のおめでたい花とされている。
末とは、先端のこと。
百舌鳥という鳥が、たくさんの尾花の中で鳴いている。
片聞け我妹というのは、自分はいま一人で声を聞いているが、この同じ百舌鳥が鳴いているのを、お前さんも聞いてほしいという気持ちが表れています。
一緒に聞きたかった、そうするともっと楽しかったのになあと思っている様子。
百舌鳥の声を一緒にきくという、現代では考えられない、大変優雅な秋の情景を感じさせてくれる歌です。

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上野誠の万葉歌ごよみ-上野誠コラム
【2018年8月25日 放送分】
2018年8月25日
【巻】10・2169

【歌】…夕立の雨降るごとに
    春日野の尾花が上の白露思ほゆ

【訳】…夕立の雨が降るごとに
    春日野の尾花についた白露のことが思われる

【解】…夕立が続いていている日々と思われる。
春日野は、平城京の東の地域。
白露は、透明な露で、夕日に照輝いている様子。
この歌を詠んだ作者は、夕立が降って、止むのを待っていたと思われる。
夕立ちなど、突発的なことがあると、予定が狂い、雨が止むのを待っている間は、
色んな事に想いを馳せる時間になります。
作者には、その時、秋の景色が頭の中を巡っていて、白露に想いを馳せていた秋の始まりが感じられる歌です。

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