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上野誠の万葉歌ごよみ
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歌ごよみ!
上野誠コラム
上野誠の万葉歌ごよみ
毎週土曜日 朝 5:30〜5:45

上野誠(奈良大学文学部教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサーブログ
utagoyomi_p@mbs1179.com
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」

【2019年3月16日 放送分】
【2019年3月9日 放送分】
【2019年3月2日 放送分】
【2019年2月23日 放送分】
【2019年2月16日 放送分】
【2019年2月9日 放送分】
【2019年2月2日 放送分】
【2019年1月26日 放送分】
【2019年1月19日 放送分】
【2019年1月12日 放送分】
上野誠の万葉歌ごよみ-上野誠コラム
【2019年3月16日 放送分】
2019年3月16日
【ラジオウォーク特集D】
【巻】6・1044

【歌】…紅(くれなゐ)に深く染みにしこころかも
    奈良の都に年の経(へ)ぬべき
    
【訳】…紅色に深く深く染み込んだかあなあ、
    奈良の都に長く長く年を重ねることであろうか

【解】…平城京といっても様々な変遷がある。
    聖武天皇が都を一時期、恭仁京など違う場所へ移したりしていて、家族は平城京に残るので、平城京が荒れた時期があった。
    紅色(くれないいろ)というのは、呉からやってきた藍色で、藍色は青ではなく、目立つ色という意味。紅色は、紅花の花から作る染料で、女性の美しい顔色は万葉集では赤色。
深く染みにしとは、忘れられない思い出で、
今、私たちが平城京で過ごした時間は鮮やかなもので、旧都である平城京への愛着を表している。
    

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上野誠の万葉歌ごよみ-上野誠コラム
【2019年3月9日 放送分】
2019年3月9日
【ラジオウォーク特集C】
【巻】6・1045

【歌】…世間(よのなか)の常なきものと今ぞ知る
    奈良の都の移ろふ見れば
    
【訳】…世の中というものは無情なものだと今やっとわかった
    奈良の都が移ったのを見ると

【解】…時代を追うことに文字をかける人が増えていったが、新しい時代が多くなるにつれ、昔の文化が消えていくものだが、日本の歴史は大和から始まるという意識は強く、この時代のものは大切にされている。
無限の時間の中を有限の人生が存在しているのはどういうことかということが、仏教の教え。
この歌は、平城京から一時期、恭仁京へと移って、都が荒れた時期に詠まれた歌。
あれだけ素晴らしいと誉めたたえられていた藤原京も平城京へ移ってしまったということをみると、時代は変わるものであり、世の中は無常で永遠がないむなしいものだということ。
人生の無常を知って、その悲しみを知らないのは、浅はかなものではないか、
人生の無常を知る=醍醐味であること思いながら詠んでみたい歌です。

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上野誠の万葉歌ごよみ-上野誠コラム
【2019年3月2日 放送分】
2019年3月2日
【ラジオウォーク特集③】
【巻】15・3602

【歌】…あをによし奈良の都にたなびける天(あま)の白雲
    見れど飽かぬかも
    
【訳】…あをによし奈良の都に
    たなびいている天の白い雲は見ても見ても見飽きない

【解】…平城京は国際都市で、唐から鑑真などが来日したり、日本からも多くの遣唐使が派遣されていた。
また、忘れてはならないのは、遣新羅使人という、新羅に日本から派遣されていった人たちもいた時代。
あをにの“に“は土のことで、青い土は奈良をほめている言葉。
遣新羅使人は、平城京から瀬戸内海、九州を通り、壱岐から対馬、朝鮮半島にいった人で、その人たちが平城京のことを詠んだ歌。
天の白雲は、目が見えていないので心の中で想像していた。
思い入れのある土地の雲は、他の雲とは違う。
見ても見飽きないとは最大のほめ言葉。
それぞれの人がどのような気持ちで雲を見ていたのか、想像しながら詠んでみる歌です。

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上野誠の万葉歌ごよみ-上野誠コラム
【2019年2月23日 放送分】
2019年2月23日
【ラジオウォーク特集A】
【巻】3・328

【歌】…あをによし奈良の都は
    咲く花の薫(にほ)ふがごとく今盛りなり

【訳】…あをによし奈良の都は咲く花が
    照り輝くように今まっさかり

【解】…奈良時代は、律令国家で役人は地方赴任をしないといけない時代だった。
    この歌は小野老朝(おののおゆ)という役人が大宰府に赴任した時に歓迎会で、
平城京を想って歌ったものです。
あをによしは奈良にかかる枕詞。
薫ふとは照り輝くようにという意味。
今盛りなりとは、日本の中心である奈良の都が今が真っ盛りであることよ、
という宣言するような表現が、人々のせつない気持ちも含まれている。
実際は、疫病がはやったり、権力争いもあったり、外交関係も新羅や唐との関係が悪く、ゴタゴタしていた時期。
混沌としているがいつの時でも希望はある。
未来を良い時代にしようという宣言がされてあるような歌です。
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上野誠の万葉歌ごよみ-上野誠コラム
【2019年2月16日 放送分】
2019年2月16日
【ラジオウォーク特集①】
【巻】1・80

【歌】…あをによし奈良の家には
    万代(よろづよ)にわれも通はむ忘ると思ふな

【訳】…あをによし奈良の家には永遠には永遠に私も通っておきましょう。
    忘れたなんて思わないでね。
    

【解】…今週からはラジオウォーク特集です。
    奈良に都が移ったときに、その時働いていた人たちが完成を祝って天皇にささげた歌で、造成の大変さを語った長歌に対しての反歌。
    暑い日も寒い日も苦労して作った宮殿なので、私たちはいつまでもこの宮殿に通いますよ、忘れたなんて言わないでくださいね。という意味が込められている。
奈良の家という表現は、みんなで作った都を、まるで自分たちの家のように例えている。
万代(よろづよ)は永遠にという意味。
都が変わるというのは、歴史が動いたときで、その時代の人にとってはそれはそれは大きなことであった。
平城京の時代の幕開けを思いながら詠みたい歌です。

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