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上野誠の万葉歌ごよみ
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歌ごよみ!
上野誠コラム
上野誠の万葉歌ごよみ
毎週土曜日 朝 5:30〜5:45

上野誠(奈良大学文学部教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサーブログ
utagoyomi_p@mbs1179.com
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」

【2018年4月14日 放送分】
【2018年4月7日 放送分】
【2018年3月31日 放送分】
【2018年3月24日 放送分】
【2018年3月17日 放送分】
【2018年3月10日 放送分】
【2018年3月3日 放送分】
【2018年2月24日 放送分】
【2018年2月17日 放送分】
【2018年2月10日 放送分】
上野誠の万葉歌ごよみ-上野誠コラム
【2018年4月14日 放送分】
2018年4月14日
【巻】…10・1916

【歌】…今さらに君はい行かじ
    春雨のこころを人の知らざらなくに

【訳】…今さらに君は帰って行きますまい
    春雨のこころをあなたは知らないわけではありませんから

【解】…春雨は無理すれば、濡れて歩くことができるような雨。
今さらにとは今更という意味。
君は女性が男性を呼んでいる言い方です。
男性が女性の家にきて、女性は家に泊まってほしいと思っているのに、
帰ろうとしている男性に、こんな時刻になって帰るなんてありえないでしょう。
ましてや外には春雨が降っているのに・・。
春雨の心とは女性の帰ってほしくないという気持ちを表しているもの。
彼を思う女性の心を春雨と例えたドラマチックな歌です。

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上野誠の万葉歌ごよみ-上野誠コラム
【2018年4月7日 放送分】
2018年4月7日
【巻】…10・1915

【歌】…わが背子に恋ひてすべ無み
    春雨の降るわき知らず出(い)でて恋(こ)しかも

【訳】…わが背子に恋して恋してどうしようもない
    春雨が降っているのかいないのか、みさかいもなく外に出てしまった私

【解】…背子は恋人のこと。
すべ無みとは、方法がない、どうしようもないという意味。
降るわき知らずとは、みさかえもなく、気にせずにということ。
恋人を恋しく思って、いてもたってもいられなくなり、思わず外に探しに出てしまったという様子が歌われています。
その後、やってきたのかどうしたかは歌には書かれていません。
恋しくてどうしようもない様子をうたった女うたです。

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上野誠の万葉歌ごよみ-上野誠コラム
【2018年3月31日 放送分】
2018年3月31日
【巻】…10・1910

【歌】…春霞立ちにし日より
    今日までにわが恋止(や)まず 本(もと)のしげけば

【訳】…春霞が立った日から今日のこの日まで私の恋は止むことがない
    その元が激しく燃え盛っているので・・・

【解】…春霞立ちにし日より今日までにとは、春霞が立った日から夏までの間のいつまでのことかはわからない。
恋とは片想いのことで、成就すると恋とは言わないので、会えない、満たされない状態のことをです。
わが恋止まずとは、彼や彼女のことばかり思ってばかりいてどうしようもない様子。
しげけばとは、激しいことで、燃えているものが大きいことを表しています。
春の激しい恋心をうたった歌です。

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上野誠の万葉歌ごよみ-上野誠コラム
【2018年3月24日 放送分】
2018年3月24日
【巻】…10・1909

【歌】…春霞山にたなびき
    おほほしく妹を相見て後恋ひむかも

【訳】…春霞が山にたなびき、ぼんやりとあの子を見ると
    後に恋しく思うかなあ

【解】…たなびくは、揺れながら横に広がっていく様子。
おほほしくとは、ぼんやりとしたという意味。
相見てはお互いを見てということですが、、どのくらい目が合っている状態かはわからない。
後恋ひむかもとは、後に恋しく思うことがあろうか、きれいな人だったなあという気持ちのことです。
人は美しいと思うほど、目を見られなくなる生き物。
霞がかかっているかのように、ぼんやりとした淡い恋を歌った歌です。

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上野誠の万葉歌ごよみ-上野誠コラム
【2018年3月17日 放送分】
2018年3月17日
【巻】…7・1101

【歌】…ぬばたまの夜さり来れば
    巻向の川音(かはと)高しも 嵐かも疾き

【訳】…ぬばたまの夜がやってくると巻向の川の音が高くなる。嵐が激しいのかなあ。

【解】…ラジオウォーク特集 第5回目です。
さり来るとは、やって来るの意味。
川音とは川の音のこと。高しもは、音が大きくなってくる様子のこと。
疾きとは、早い・激しいということ。
夜になると静かになるので、いまは雨ではないけれど、川の音が大きいので、上流では嵐になっているのかなあと感じることができます。
古代の人が自然の音を感じながら生きていることがわかる歌です。

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