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｢上野誠の万葉歌ごよみ｣ |
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| 【2022年10月1日 放送分】 |
2022年10月1日 |
【巻】…3・255
【歌】…天離（あまざか）る鄙（ひな）の長道（ながち）ゆ恋ひ来れば 明石の門（と）より大和島（やまとしま）見ゆ
【訳】…天離る鄙の長道を恋い慕ってやって来ると、明石の門から大和島が見える
【解】…前回に続いて、柿本人麻呂の旅の歌８首のうちの１首です。「天離る」は「鄙」にかかる枕詞。天は都を指すので、都から離れた場所ということで、「鄙」は田舎を意味します。その鄙への長い旅を終え、瀬戸内海を通って明石海峡まで帰ってきた人麻呂は、遠く前方に大和島を見つけます。大和島とは、故郷である大和国（現在の奈良）を囲む生駒山や葛城山のことで、水平線の向こうに山の頂上部分が見えてきた時、海に浮かぶ島のように見えたのではないでしょうか。その大和島を見て、故郷に戻って来たぞという、人麻呂の感動と安心感がこの歌を生んだのです。
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