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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2020年1月4日 放送分】 |
2020年1月4日 |
【巻】…17・3925
【歌】…新(あらた)しき年のはじめに 豊(とよ)の年しるすとならし 雪の降れるは
【訳】…新しい年のはじめに豊かな年の兆しとなった、雪が降ったことは
【解】…新しい年のはじめに雪が降ると、「雪かき」と称して貴族たちが宮廷に集まりました。ただ、実際に雪かきはせず、宴会をするのが目的だったようです。その宴会で、葛井連諸会という人が詠んだのがこの歌。「雪が降ったので、今年は豊かな年になる!」と、喜びの気持ちを歌い上げています。当時、新年の雪は吉兆とされていました。その由来は様々に説明されていて、当時の先進国である中国でそのように考えられていた影響とか、お米が白いので豊作がイメージされたとか、そもそも、新年に雪が降ることがめったにないので、その珍しさがめでたいと思われていたとか。いずれにしても、吉兆の雪だと称して、新年に皆が集まることが重要だったのです。疫病や飢饉など、危機があったとしても、仲間がこのように無事に集まり、自然を楽しみ、今を楽しむことこそ、大切だったのでしょう。
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