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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2020年1月11日 放送分】 |
2020年1月11日 |
【巻】…8・1421
【歌】…春山の咲きのををりに 春菜摘む妹(いも)が白紐(しらひも) 見らくしよしも
【訳】…春山に咲く、咲き乱れるその時に、春菜を摘むあの娘の白い紐を見るのはよいものだ
【解】…お正月が終わって、花の春を楽しみましょう!という意味をこめて番組が選んだのがこの歌。「ををり」は、ほとんど耳にしない言葉ですが、花が枝を覆い、その重みで枝が沈むくらい花盛りの様子を表しています。そんな春の日に作者の目に入ったのは春菜を摘む娘たちの着物の白い紐。「こんな日に、あの娘の紐を見るのはよいものだ」と詠んでいますが、別に紐に強い関心を持っているのではありません。当時の人は、紐を解くというのはリラックスするということと、共寝をすることを意味していて、作者が「妹が白紐見らくしよしも」としているのは、 その娘に好意があって、恋人になれたらいいなあ、という気持ちを込めているのです。開放的な春の日の、ウキウキとした気分が伝わってくる歌です。ちなみに、作者の名前として尾張連(をはりのむらじ)と記載がありますが、下の名前は書かれていません。資料が伝わっていく中で下の名前が欠けてしまったものと思われます。
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