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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2021年2月27日 放送分】 |
2021年2月27日 |
【巻】…7・1126
【歌】…年月もいまだ経なくに 明日香川瀬瀬ゆ渡しし石橋(いははし)も無し
【訳】…年月もまだそんなに経ていないのに、明日香川の瀬と瀬を渡した踏み石も今はもうない
【解】…ラジオウォーク特集の第二弾。舞台となる明日香の歌です。瀬は浅瀬を表し、石橋は架橋ではなく踏み石のことを指します。当時の明日香の人々は、明日香川の橋が架かっていない場所では、浅瀬に顔を出している石を踏み台にして対岸まで渡っていました。作者も、そんな日常を送っていたのでしょうが、ある日、踏み石があるはずの場所に、石がないことに気づきます。しかも、そんなに年月が経っていないのに・・。川が増水して流れてしまったのか、その原因は分かりませんが、あるはずのものが無いということに、無常を感じてこの歌を作ったのではないでしょうか。「故郷を思ふ」とタイトルがついた歌2首のうちの1首ですから、平城遷都後に、かつて都だった時の明日香を偲んだのかもしれません。
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