|
|
|
|
|
|
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
|
|
|
|
|
|
【2021年7月24日 放送分】 |
2021年7月24日 |
【巻】…10・2054
【歌】…風吹きて川波立ちぬ 引船(ひきふね)に渡りも来ませ 夜のふけぬ間に
【訳】…風が吹いて川波が立ったよ、引き船でも渡って来て下さいね、夜がふけないうちに
【解】…天の川を眺めながら、彦星と織女星のことを思い浮かべて作ったであろう歌です。引き船とは、川を横断するように両岸の間に縄をはって、それを手繰りながら船を渡す方法、もしくは、船に縄をつけて、向かう先の岸から引っ張ってもらう方法などが考えられますが、いずれにしても、大掛かりな作業だと想像できます。この歌は、天の川が波立って船が渡りにくくなっても、年に一度しかない大切な日なので、引き船に乗ってでも会いに来て欲しい、という織女星の気持ちを詠んでいます。七夕のロマンチックな風景に、大掛かりな引き船というのは何となく合わない気もしますが、何としてでも会いたいという強い気持ちが伝わってきます。
|
|
|
|