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上野誠の万葉歌ごよみ
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上野誠の万葉歌ごよみ
毎週土曜日 朝 5:30〜5:45

上野誠(國學院大學 教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサープロフィール
utagoyomi@mbs1179.com
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」

【2024年4月13日 放送分】
【2024年4月6日 放送分】
【2024年3月30日 放送分】
【2024年3月23日 放送分】
【2024年3月16日 放送分】
【2024年3月9日 放送分】
【2024年3月2日 放送分】
【2024年2月24日 放送分】
【2024年2月17日 放送分】
【2024年2月10日 放送分】
上野誠の万葉歌ごよみ-上野誠コラム
【2021年10月30日 放送分】
2021年10月30日
【巻】…10・2179

【歌】…朝露ににほひそめたる秋山に 時雨(しぐれ)な降りそ あり渡るがね

【訳】…朝露に照り輝いている秋山に 時雨は降ってくれるなよ、そのままでいて欲しいから

【解】…紅葉と露を取り合わせた歌。「にほふ」は、嗅覚ではなく、照り輝いている様を表す視覚表現です。色づいた葉は、もちろんそれだけで十分美しいですが、朝露に濡れると、光沢が出てさらに輝きを増します。それを目の当たりにした作者が思ったのは、「時雨よ降ってくれるなよ」。雨で紅葉が散ってしまうのを怖れたからでしょう。言い換えれば、瞬間の美を惜しむ心がこの歌を生んだと言えます。ところで、歌の左注には「柿本朝臣人麻呂の歌集に出ず」となっています。この歌は、元々、柿本人麻呂歌集に入っていて、万葉集を編纂する際に、転載されたもの。ただ、柿本人麻呂歌集に収められていたからといって、人麻呂が作った歌かどうかは分かりません。