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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2022年7月9日 放送分】 |
2022年7月9日 |
【巻】…1・58
【歌】…いづくにか船泊(ふなは)てすらむ 安礼(あれ)の崎漕ぎたみ行きし棚無(たなな)し小舟(をぶね)
【訳】…いったいどこに船泊てをすればよいのか。安礼の崎を漕ぎめぐっていた棚無し小舟は
【解】…万葉集の中で旅愁の歌人とも言われている高市黒人の歌です。現在の船は、レーダーなど様々な機器がありますので夜も航行可能ですが、万葉の時代は、夜になると何も見えなくなるため、港で停泊するしかありませんでした。この歌が描いている棚無し小舟は、横板が渡されていない小さなくり抜き舟で、大きな波がきたら沈んでしまうようなもの。「安礼の崎を漕ぎめぐって行ったけれど、どこに停泊するのだろう」と黒人は心配げに歌っています。人は、景色に自分の心模様を映すものですが、棚無し小舟の様子に反応した黒人は、どのような気分だったのでしょうか。
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