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｢上野誠の万葉歌ごよみ｣ |
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| 【2023年4月8日 放送分】 |
2023年4月8日 |
【巻】…4・703
【歌】…わが背子を相見しその日 今日までに わが衣手は乾（ふ）る時も無し
【訳】…わが背子と出会ったその日から今日まで私の衣が乾く時はない
【解】…巫部麻蘇娘子（かむなぎべのまそをとめ）が大伴家持に贈った歌。「相見し」とは、お互いに目と目が合ったということで、出会いを示します。巫部麻蘇娘子が家持と出会ったその日から今日に至るまで、自分の衣の袖は乾く時がない、というのがこの歌。袖が濡れるというのは、涙を袖でぬぐうからです。なかなか会えないから悲しいのか、それとも、気持ちが上手く通じないから悲しいのか分かりませんが、出会った時から今日までずっと乾かないというのは少々大げさです。それほど、家持への恋心が強いことを表現しているのでしょう。この歌を贈った巫部麻蘇娘子は、その後、家持と会えたのでしょうか。
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