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上野誠の万葉歌ごよみ
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上野誠の万葉歌ごよみ
毎週土曜日 朝 5:30〜5:45

上野誠(國學院大學 教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサーブログ
utagoyomi@mbs1179.com
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」

【2023年12月2日 放送分】
【2023年11月25日 放送分】
【2023年11月18日 放送分】
【2023年11月11日 放送分】
【2023年11月4日 放送分】
【2023年10月28日 放送分】
【2023年10月21日 放送分】
【2023年10月14日 放送分】
【2023年10月7日 放送分】
【2023年9月30日 放送分】
上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2023年10月14日 放送分】
2023年10月14日
【巻】…6・1002

【歌】…馬の歩み押さへ止(とど)めよ 住吉(すみのへ)の岸の黄土(はにふ)に にほひて行かむ

【訳】…馬の歩みを押さえてとどめなさい。住吉の岸の黄土に着物を染めてゆこうと思うから

【解】…今回は旅の歌。観光の目的として花見、月見、雪見などがあるが、このようなものもあるのか、と思える作品です。「馬の歩み押さえ止めよ」は、命令の形になっているので、何人かと馬で旅をしている時に、全体に「馬をとどめなさい」と号令をかけたのでしょう。その理由が黄土。住吉(大阪の住吉大社のある地域)の海岸線におそらく断崖があって、その断崖が黄色に染まるような場所があったと思われます。その黄色い土は、着物の泥染めに使われていて、ある種のブランド土のようになっていたのではと推測されます。歌の作者の安倍朝臣豊継の一行は、馬を止めたその場で着物を染めた訳ではなく、自分たちの着物が黄色く照り映えるように思えたのではないでしょうか。花見ならぬ土見は、当時は盛んに行われていたようです。