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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2024年2月10日 放送分】 |
2024年2月10日 |
【巻】…9・1776
【歌】…絶等寸(たゆらき)の山の峰(を)の上(へ)の桜花 咲かむ春べは 君し偲はむ
【訳】…絶等寸の山の峰の上の桜の花、その桜が咲こうとする春は、あなたのことを思い出しますね
【解】…春が近づく時期に、古代社会で大きな話題となったのは、役人の異動でした。今回の歌は、石川大夫(まへつきみ)が、転任で播磨の国を離れる際に作られたものです。異動の時期には歓送迎会のような宴会が頻繁に開かれて、土地の著名な女性も参加していました。この歌は、宴席に参加した播磨娘子(はりまのをとめ)が詠んだものです。絶等寸の山は、播磨の国のどこの山かは分かりませんが、峰の上には毎春、美しい桜の花が咲いたのでしょう。播磨娘子は、「あなたがいなくなってまた桜が咲くころには、きっとあなたのことを思い出します」と惜別の気持ちを歌で贈っているのです。絶等寸の山の桜が宴席から見えていたのか、もしくは、石川大夫と播磨娘子の大切な思い出の場所だったのかもしれません。
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