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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2023年1月14日 放送分】 |
2023年1月14日 |
【巻】…3・390
【歌】…軽(かる)の池の浦廻(うらみ)行き廻(み)る鴨すらに 玉藻のうへにひとり寝なくに
【訳】…軽の池の浦を行きめぐる鴨でさえ、玉藻の上にひとりでは寝ないのに、私はね
【解】…紀皇女(きのひめみこ)の歌です。軽の池は、現在の奈良県橿原市大軽町付近にあったとされる池で、当時、とても有名な大池だったようです。大きな池になると浦が出来て、その浦付近を鴨たちがぐるぐると行き巡っていたのでしょう。池には、美しい藻である玉藻があり、紀皇女は、その玉藻を歌に詠み込みました。古代では、男性が女性の家を訪れた際に、女性は男性のために美しい敷物を用意して、その上でもてなし、共寝をしていました。紀皇女は、この敷物と玉藻を重ね、「鴨たちでさえ玉藻の上でひとり寝しないのに、私は・・」と詠んでいるのです。かなり大胆な歌ですね。これは、いわゆる恋人募集中ということなのか、もしくは、恋人への誘い歌なのか、詳しいことは分かりません。
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