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｢上野誠の万葉歌ごよみ｣ |
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| 【2023年2月4日 放送分】 |
2023年2月4日 |
【巻】…4・512
【歌】…秋の田の穂田（ほだ）の刈（かり）ばかか寄り合はば そこもか人の吾（あ）を言（こと）なさむ
【訳】…秋の田の実った田んぼの私のノルマに寄っていったならば、そんな小っちゃなことでも人様は私のことを噂するのでしょうね
【解】…稲が実った田での風景を詠んだ歌です。「刈りばか」は、自分が刈り取る予定のエリアのこと。隣接したエリアを担当する人を見つけると、ついつい、しゃべりたくなってしまうものです。「寄り合はば」は、距離が離れていると話しにくいので、自然と近づいていった状態でしょうか。担当エリアの稲刈りをちゃんとした上で寄り合っているのか、それとも、作業はそっちのけで、おしゃべりに熱中しているのか、もしくは、作業をしているうちに偶然、近づいたのかもしれません。いずれにしても、二人が寄り合って話をしているのを見ると、どんな小さなことでも噂話のネタになるのだろうと、作者は歌っています。
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