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｢上野誠の万葉歌ごよみ｣ |
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| 【2023年2月11日 放送分】 |
2023年2月11日 |
【巻】…4・514
【歌】…わが背子が著（け）せる衣の針目落ちず 入りにけらしも わがこころさへ
【訳】…わが背子が着ている衣の針目を一つも落とさずに、縫い糸とともにきっと入ってゆくでしょう、私の心さえも
【解】…阿倍女郎の歌。阿倍郎女とは、阿倍氏から出ている女性のことを指します。この女性は、夫か恋人の着物を縫っていました。その様は、「針目落ちず」。つまり、ひと針ふた針と、細心の注意を払いながら、丁寧に縫い進めたのでしょう。まるで縫い糸と一緒に自分の心までもが入っていくようだと彼女は歌っています。このように、大切な人のことを思いながら着物を縫う姿は、現代の演歌にも登場しそうな光景です。
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