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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2020年5月9日 放送分】 |
2020年5月9日 |
【巻】…10・1955
【歌】…霍公鳥(ほととぎす)厭(いと)ふ時無し 菖蒲(あやめぐさ)蘰(かづら)にせむ日 此(こ)ゆ鳴き渡れ
【訳】…ホトトギスよ、いつだって嫌だとは言わないから、アヤメグサをかずらにする日、ここを鳴き渡って行って欲しい
【解】…旧暦の5月5日は、宮廷に出仕したり宴会をする時に、アヤメグサを頭に巻くという習わしがありました。旧暦で5月5日はもう夏で、疫病が流行りだすため、アヤメグサの匂いで邪気を祓おうと考えていたようです。一方の霍公鳥は初夏の鳥。これは、私たちが知っているホトトギスではなくカッコウを指すとの説もあって、はっきりはしていませんが、夜も鳴く鳥で、うるさいと嫌がる人が少なくなかったようです。しかしこの歌では、「嫌には思わないから、ここを鳴き渡って行って欲しい」と言っています。花鳥風月を楽しむ日本人は、鹿と萩という風に、ものの取り合わせを大切にしていて、この歌の場合、霍公鳥とアヤメグサの取り合わせになれば最高!と作者は考え、同じ鳴くなら、私のところから鳴き渡ってくれと、歌っているのです。
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