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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2021年3月27日 放送分】 |
2021年3月27日 |
【巻】…8・1458
【歌】…宿にある桜の花は 今もかも 松風速(はや)み地(つち)に散るらむ
【訳】…宿にある桜の花は、今まさに松風が速いので土に散っていることであろうか
【解】…厚見王(あつみのおほきみ)が久米郎女(くめのいらつめ)に送った歌。松風が激しく吹いているので、久米郎女の家の庭にある桜の花は散っているであろうかと厚見王は心配しています。風をわざわざ松風としているのは、久米郎女の家の近くに松の木があって、そこを通ってくる風だから松風としたのでしょう。この歌に応えて久米郎女が返した歌は「世間(よのなか)も常にしあらねば 宿にある桜の花の散れるころかも」。つまり、世の中は無常で、同じようにずっと花が咲いている訳ではない、と。言い換えれば、花の命は短いのですから、早く来てくださいね、と厚見王を誘っているのです。
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