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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2021年5月8日 放送分】 |
2021年5月8日 |
【巻】…12・3136
【歌】…旅にありて恋ふれば苦し いつしかも都に行きて君が目を見む
【訳】…旅にあって恋しく思えば苦しく感じる。一体いつになったら都に行って、あなたの目を見ることができるだろうか
【解】…旅と言えば楽しいイメージが浮かぶでしょうが、交通手段が整備されていなかった古代では、目的地にたどり着くまでに時間がかかり、危険も伴っていたので、苦しいものの象徴でした。ですので、万葉歌でも、旅の苦しさを歌ったものが多く、今回ご紹介する作品もそのひとつ。旅の途中で作者は、遠く離れてしまった都にいる恋人のことを思いながら「いつになったら都に帰って、あなたの目を見ることができるのだろうか」と、辛く恋しい気持ちを吐露しています。現代では、顔を見たいと表現しますが、古代では、目を見たいとの表現。目を見れば、自分への感情がすぐに分かるので、このように目を重視した表現をしていたのかもしれません。現在では、色々な機器を駆使すれば、どこにいても大切な人の顔を見ることが可能になりましたが、やはり実際に会って目を見ることで、さらに伝わってくるものがあるのではないでしょうか。
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