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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2015年5月3日 放送分】 |
2015年5月3日 |
【巻】…10・1955
【歌】…霍公鳥厭ふ時無し 菖蒲蘰にせむ日 此ゆ鳴き渡れ
【訳】…ホトトギスを嫌だと思うことなんてありえない。アヤメグサをかずらにする日には、ここを通って鳴き渡って行け
【解】…アヤメグサをかずらにするというのは、葉を輪の状態につないで頭に巻くこと。 これが、現代の「かつら」の語源とも言われています。アヤメグサのような良い匂いがするものは邪気を祓うと信じられていて、当時の夏は、疫病で亡くなる方が多く、その対処法として、5月5日にかずらにする習慣が生まれたと推測されます。また、かずらにした人たちが集まると、お互いに匂いを楽しめる上、同じものを頭に巻くことで、連帯感が高まるという効果もあったようです。 ところで、この歌で作者は、「かずらで夏の到来を感じるが、夏鳥の代表であるホトトギスが来てくれると、さらに夏の気分が高まるなあ」と詠んでいます。アヤメグサとホトトギスは、当時の人々にとっては、夏を感じるための、なくてはならない組み合わせだったのかもしれません。
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