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上野誠の万葉歌ごよみ
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上野誠の万葉歌ごよみ
毎週土曜日 朝 5:30〜5:45

上野誠(國學院大學 教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサープロフィール
utagoyomi@mbs1179.com
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」

【2024年4月20日 放送分】
【2024年4月13日 放送分】
【2024年4月6日 放送分】
【2024年3月30日 放送分】
【2024年3月23日 放送分】
【2024年3月16日 放送分】
【2024年3月9日 放送分】
【2024年3月2日 放送分】
【2024年2月24日 放送分】
【2024年2月17日 放送分】
上野誠の万葉歌ごよみ-上野誠コラム
【2015年5月3日 放送分】
2015年5月3日
【巻】…10・1955

【歌】…霍公鳥厭ふ時無し 菖蒲蘰にせむ日 此ゆ鳴き渡れ

【訳】…ホトトギスを嫌だと思うことなんてありえない。アヤメグサをかずらにする日には、ここを通って鳴き渡って行け

【解】…アヤメグサをかずらにするというのは、葉を輪の状態につないで頭に巻くこと。
これが、現代の「かつら」の語源とも言われています。アヤメグサのような良い匂いがするものは邪気を祓うと信じられていて、当時の夏は、疫病で亡くなる方が多く、その対処法として、5月5日にかずらにする習慣が生まれたと推測されます。また、かずらにした人たちが集まると、お互いに匂いを楽しめる上、同じものを頭に巻くことで、連帯感が高まるという効果もあったようです。
ところで、この歌で作者は、「かずらで夏の到来を感じるが、夏鳥の代表であるホトトギスが来てくれると、さらに夏の気分が高まるなあ」と詠んでいます。アヤメグサとホトトギスは、当時の人々にとっては、夏を感じるための、なくてはならない組み合わせだったのかもしれません。