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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2018年11月3日 放送分】 |
2018年11月3日 |
【巻】10・2172
【歌】…わが宿の尾花おしなべ置く露に 手触(たふ)れ我妹子(わぎもこ) 散らまくも見む
【訳】…私の家の庭のすすきの穂をなびかせておく露 その露に手に触れてほしい愛しき人よ、散るのが見たいから
【解】…小さいものの中にモノの本質や季節の移り変わりがあったり、それに気づくことは人生の深みを感じることであり、秋という季節の特徴かもしれません。 露がつくと、稲の穂先が垂れるようになる。 散ちらまくも見むとは、露がぱーっと散っていくのを見たくて、その露に触れたいという意味です。 これは、恋人も秋の季節の一つに見立てている歌だといえます。 古代では、植物に触れる女性のしぐさなども美しく愛おしいものだとされていたようです。 紀元前にあった樹下美人図なども、そのような女性の様子を描いたものです。 人の品格は心の余裕から出るもので、尾花に触れたらその露がどうなるかと思うことはその表れだといえるでしょう。
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