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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2019年7月20日 放送分】 |
2019年7月20日 |
【巻】…15・3704
【歌】…もみち葉の散らふ山辺ゆ漕ぐ船のにほひに愛(め)でて出でて来にけり
【訳】…もみち葉が散っていく山辺を漕いでいく船。その船の美しさに心ひかれて皆さま方のところに、やって参りました
【解】…万葉時代の船旅は命を失うかもしれない苦難の旅でしたが、それだけに港に入ると少しホッとして、貴重な時間を出来るだけ楽しもうと宴がよく催されました。そんな時には、地元の遊女たちがやって来て宴会を盛り上げたようですが、この歌は、天平8年の遣新羅使人が長崎県・対馬の港に入った時、宴に参加した「玉槻」という名の遊女が、ご挨拶の歌として詠んだものです。ちょうど紅葉の時期で、「美しい色に染まった島々の間を縫う美しい船を愛でていたら、その船が港に着いたと聞いて、居ても立っても居られなくなって、やって来ました、お許し下さい」と言っているのです。遊女たちは、船旅の人々の心境をよく分かっていて、せめて宴会の時は心ゆくまで楽しんでもらおうと、季節に応じて、様々な歌を工夫して詠んだのでしょう。
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