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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2019年11月9日 放送分】 |
2019年11月9日 |
【巻】…10・2144
【歌】…雁(かり)は来ぬ 萩は散りぬと さ雄鹿の鳴くなる声もうらぶれにけり
【訳】…雁はやって来た、萩は散ってしまった、そうなると雄鹿の鳴く声も力なく聞こえてしまう
【解】…雁、萩、鹿・・秋のスター勢ぞろいの歌です。雁は日本で越冬するために、秋の終わりにやって来ます。そのころ、花期が長い萩も散ってしまい、後は鹿の声だけが響きますが、その鹿も、恋の季節が終わって「うらぶれにけり」。つまり、力なく寂しげに聞こえたのでしょう。こういう場合、聞く人によっては、「こんな季節でも鹿は鳴いている。自分も頑張ろう」と思うこともあるのかもしれませんが、秋はやはり、寂しい気持ちと共振して聞こえるものです。反対に春は、色々な音が、芽吹く希望として耳に入ってきます。自然のうつろいは、環境だけでなく、人の心にも変化をもたらせてくれているのでしょう。ただ、最近は、温暖化の影響なのか、秋や春の実感がなく、寒い冬と暑い夏だけが印象に残ってしまいます。
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