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上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2019年12月28日 放送分】 |
2019年12月28日 |
【巻】…20・4516
【歌】…新(あらた)しき年の始めの初春の今日降る雪の いや重(し)け吉事(よごと)
【訳】…新しい年のはじめの初春の今日降る雪のように、よいことが重なれよ、さらにさらに
【解】…万葉集の最後の歌。天平宝字3年(759年)正月1日、大伴家持が因幡の国(現在の鳥取の北部)に赴任していた時、因幡国の庁舎で催された宴席で家持が詠んだものです。新しい年のはじめで、初春で、しかも今日降る雪のように・・と表現を重ねることで、よい事が重なっていくようにとの願いを歌に託しています。よい事の「事」は、言葉と事柄の両方を指しています。古代の人々は、よい言葉とよい事柄を一緒のこととして理解していて、よい言葉を言えば、よい事が起きるという考えがあったようです。現代では、そのようなとらえ方は一般的ではありませんが、日々を気持ちよく送るためのヒントになりそうな気もします。万葉集のしめくくりの歌からは、「年が明けて、皆が集まることができて、美味しいものを一緒に食べて、楽しい時間を共有できて、本当によかった・・」そんなことを語り合いながら微笑む当時の人々の姿が見えてきます。 2019年も「上野誠の万葉歌ごよみ」をお聴きくださり、本当にありがとうございました。2020年も引き続き、よろしくお願いいたします!
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