|
|
|
|
|
|
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
|
|
|
|
|
|
【2020年2月1日 放送分】 |
2020年2月1日 |
【巻】…5・819
【歌】…世の中は恋しげしゑや かくしあらば 梅の花にも成らましものを
【訳】…世の中というものは恋心が燃え上がるもの。こんなことなら、いっそ梅の花にでもなってしまいたいなあ
【解】…前回と同じく、天平2年(730年)の正月13日、九州・大宰府の大伴旅人の邸宅で行われた梅の宴席の歌32首のうちのひとつ。作者の大伴大夫は、どうも失恋してしまった様子です。「恋心は絶えないもの」と、自分に恋物語があったことを認めながら、こんなことなら梅の花になってしまいたいと詠んでいます。梅の花になるとはどういうことか・・梅の花なら、誰かに事情を聞かれたり、それに答える煩わしさがなく黙って咲いていればいいから、そんな状況に身を置きたいという意味です。失恋をした時には確かにこういう気分になりそうですね。ただ、こういったことをあえて歌にするのは、大伴大夫の失恋を知っている他の参加者に気を遣わせないよう、自分から自虐的に詠むことで、場の雰囲気を和ませようとしたのかもしれません。その方が、大夫自身も楽だったのでしょうね。
|
|
|
|