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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2020年6月6日 放送分】 |
2020年6月6日 |
【巻】…6・664
【歌】…石上(いそのかみ)ふるとも雨に障(つつ)まめや 妹に会はむと言ひてしものを
【訳】…石上のふるではないけれど雨が降っても引きこもってなんていられない、お前さんに会うと約束したのだから
【解】…梅雨の季節にちなんで、今週から雨に関わる歌をお届けします。「石上」は地名で、その地域に「ふる」という場所があったため、「石上」は、雨が「降る」を起こす枕詞になっています。ところで古代では、雨具は簡易なかぶり傘しかなく、交通も発達していませんでしたので、雨の日に外に出るのは大変困難なことでした。当時の男女の慣習は、妻の家に男性が通う妻問婚で、雨が降ると、約束していた訪問日に行くのが難しくなります。電話などの連絡手段がないため、男性を待つ女性も、雨が降れば今日は来ないだろうと諦めざるをえませんでした。しかし、この歌の作者である大伴像見(かたみ)は、雨でも約束したんだから行こう、と歌に詠んでいます。それほど恋の気持ちが強いことを示しているのでしょう。女性にしてみれば、こんな雨の時でも来てくれたと、男性の愛情の深さを知るきっかけになったのではないでしょうか。
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