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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2021年8月14日 放送分】 |
2021年8月14日 |
【巻】…2・239
【歌】…難波潟(なにはがた)潮干(しほひ)なありそね 沈みにし妹が姿を見まく苦しも
【訳】…難波潟よ干あがってくれるなよ、沈んでいる妹の姿を見るのはつらいものだから
【解】…和同4年(711年)に河辺宮人(かはべのみやひと)が詠んだ歌。当時、難波には難波潟という浅瀬があって、潮の満ち引きによって陸地が見えたり、水に没したりしていました。その難波潟で河辺宮人は、「潮よ干あがってくれるなよ」と歌っています。水が引くと、ここで亡くなった乙女の亡骸を見ることになるから、と。彼は、亡くなった乙女の姿を実際に見たのか、それとも、そういう話を聞いただけなのかは、この歌からは分かりません。多分、見知らぬ女性の死に偶然、居合わせたことがあったのだと推測されますが、潮が満ち引きするのを見ているうちに、その死への感傷が湧き起り、この歌となったのではないでしょうか。
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