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上野誠の万葉歌ごよみ
毎週土曜日 朝 5:30〜5:45
上野誠(國學院大學 教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサーブログ
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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2022年6月18日 放送分】 |
2022年6月18日 |
【巻】…1・15
【歌】…わたつみの豊旗雲(とよはたくも)に入日(いりひ)さし 今夜(こよひ)の月夜(つくよ)さやけかりこそ
【訳】…わたつみの豊旗雲に入日がさして、今夜の月夜は鮮やかであってほしいものだ
【解】…中大兄(後の天智天皇)が、難波から瀬戸内海を通って、現在の福岡県に向かう船旅の途中で作ったとされる歌です。海上はるかにたなびいている雲に入日がさしているのを見て、どうか今夜の月はあざやかであってほしいと、翌日の航行の安全を祈って作ったものと思われます。ちなみにこの歌は、中大兄の三山の歌の反歌として万葉集に収められていますが、当初は削られる運命にあったとか。というのも、三山(香具山・畝傍山・耳成山)とは遠く離れた海の上での光景を描いたもので、反歌らしくないと、カットされそうになったようです。しかし、万葉集が参照した旧本には載っているので、それにならって残した・・と注記にあります。危うく削られるところだった歌ですが、今では、日本の短歌史上稀なる名歌だと高く評価されている作品です。
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