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上野誠の万葉歌ごよみ
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上野誠の万葉歌ごよみ
毎週土曜日 朝 5:30〜5:45

上野誠(國學院大學 教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサープロフィール
utagoyomi@mbs1179.com
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」

【2024年3月23日 放送分】
【2024年3月16日 放送分】
【2024年3月9日 放送分】
【2024年3月2日 放送分】
【2024年2月24日 放送分】
【2024年2月17日 放送分】
【2024年2月10日 放送分】
【2024年2月3日 放送分】
【2024年1月27日 放送分】
【2024年1月20日 放送分】
上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2023年5月20日 放送分】
2023年5月20日
【巻】…5・888

【歌】…常知らぬ道の長手(ながて)を くれくれといかにか行かむ 糧米(かりて)は無しに

【訳】…今まで知らなかった長い長い道のりを、暗い暗い気持ちでどのように行こうか、食糧も無くて

【解】…肥後の国(現在の熊本県)の益城郡に大伴君熊凝(おおとものきみくまこり)という若い役人がいました。熊凝は、平城京で行われる行事に合わせて、力士を奈良まで連れて行く役を担ったのですが、道中で病気になり、現在の広島県で亡くなりました。それを聞いた人々は、若くして命を落とした熊凝に同情し、彼の気持ちを汲み取った形で歌を作ります。そのひとつがこの歌。作者は山上憶良です。当時は旅行の経験がない人がほとんどで、どういう道がどれくらい続くのかという知識はほとんどありませんでした。そんな状況での長旅で身体の調子が悪くなっていき、食糧もおぼつかなくなって「この旅を本当に続けられるのだろうか」ど、熊凝は不安と孤独にさいなまれていたことでしょう。そんな気持ちを山上憶良は熊凝に代わってこの歌にこめたものと思われます。