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上野誠の万葉歌ごよみ
毎週土曜日 朝 5:30〜5:45
上野誠(國學院大學 教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサーブログ
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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2023年9月2日 放送分】 |
2023年9月2日 |
【巻】…6・949
【歌】…梅柳過ぐらく惜しみ 佐保の内に遊びしことを 宮もとどろに
【訳】…梅柳の盛りが過ぎてしまうことを惜しんで佐保の内で遊んでしまったことで、宮は大騒ぎになってしまった
【解】…万葉時代のスポーツに打毬(まりうち)というものがありました。棒状のもので毬を打って、相手のゴールに入れるというもので、現在のホッケーのようなもの。その打毬に熱中しすぎて、仕事をしなかったので怒られたというのがこの歌です。神亀4年(727年)のお正月に、大勢の皇族や臣下たちが春日野に集まって打毬をしていたところ、急に空が曇って雨が降り、雷が鳴りだしました。古代では、雷鳴があると、宮中で警備にあたる人たちは急いで宮に戻らなければならないという規則がありました。ところがこの時、打毬に集中するあまりにそれを忘れ、雷が鳴っているのに宮中に人がいない状態となってしまったのです。聖武天皇は怒り、罰として授刀寮という場所に皆を閉じ込めて、外出することを禁じました。この歌は、閉じ込められた人が、心が晴れないままに作ったものですが、具体的に誰なのかは分かっていません。
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