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上野誠の万葉歌ごよみ
毎週土曜日 朝 5:30〜5:45
上野誠(國學院大學 教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサーブログ
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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2023年10月21日 放送分】 |
2023年10月21日 |
【巻】…6・1009
【歌】…橘は 実さへ花さへその葉さへ 枝(え)に霜降れどいや常葉(とこは)の木
【訳】…橘は、実までも花までもその葉までも、枝に霜は降るけれども、いよいよ栄える常(とこ)の葉の木である
【解】…ミカンのことを古代では橘と呼んでいました。ただし、今食べているミカンは品種改良されたもので、古代ではピンポン玉くらいの小さなものだったと思われます。その橘は、木の実の中で最高のものと、古代の人たちに珍重されていました。この歌は、皇族から離れて天皇の臣下になる葛城王が橘という氏を賜った際に、祝いの宴席で聖武天皇が詠んだものです。「橘という植物は、実がいい、味もいい、そして花も白く匂いがいい。その上、葉は霜が降っても枯れることなく常緑で永遠に青い!」と、歌っています。橘氏となる葛城王を、この上ない表現で称賛し、「これからよろしくたのみますよ」という気持ちをこめているのです。歌を賜った葛城王にとっては、最高の名誉だったのではないでしょうか。
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