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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2023年12月23日 放送分】 |
2023年12月23日 |
【巻】…9・1693
【歌】…玉くしげ明けまく惜しきあたら夜(よ)を 衣手(ころもで)離(か)れて ひとりかも寝む
【訳】…玉くしげではないけれど、明けるのが惜しいもったいない夜を、あなたの袖から離れて一人で寝ることに
【解】…「玉くしげ」とは、女性が持っていた、櫛などを入れる箱のことで、とても美しく開けるのが惜しいくらいのものでした。後に続く「あたら夜」は、もったいない夜。つまり、「玉くしげを開けるというのではないけれど、明けるのが惜しいくらいのもったいない夜」という構成で、「玉くしげ明けまく惜しき」は「あたら夜」の序なのです。それくらい特別な夜なのに、袖と袖が触れ合う距離にあなたがいない・・。作者は、大切な人と会えない切なる寂しさを歌で訴えているのです。
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