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上野誠の万葉歌ごよみ
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上野誠の万葉歌ごよみ
毎週土曜日 朝 5:30〜5:45

上野誠(國學院大學 教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサープロフィール
utagoyomi@mbs1179.com
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」

【2024年7月20日 放送分】
【2024年7月13日 放送分】
【2024年7月6日 放送分】
【2024年6月29日 放送分】
【2024年6月22日 放送分】
【2024年6月15日 放送分】
【2024年6月8日 放送分】
【2024年6月1日 放送分】
【2024年5月25日 放送分】
【2024年5月18日 放送分】
上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2023年12月30日 放送分】
2023年12月30日
【巻】…9・1695

【歌】…妹(いも)が門入(かどい)り泉川(いづみがは)の常滑(とこなめ)に み雪残れり いまだ冬かも

【訳】…妹が門を入るという訳ではないけれど、出ては入る泉川の常滑に、み雪が残っている。まだ冬なのかなあ

【解】…泉川(京都府木津市の木津川)で作られた歌。「妹が門」は恋人の家の門のこと。当時は通い婚の時代ですから、恋人に会うときはその門から入り、朝には門から出ていきます。この、「出る」というのが重要で、「出る」は「いず」と表現されるので、その「いず」が泉川にかかっているのです。つまり、泉川を引き出すために、「妹が門入り」があるのです。泉川を引き出したいのなら、別に妹の門でなくてもいいのですが、想像をかきたてるためにそうしたのではないでしょうか。常滑は、川の中にある岩盤のつるつるとした部分。この歌が詠まれた時は春になったばかりだったのでしょうが、常滑に雪が残っているのを見て、「まだ冬なのかなあ」と、移ろう季節の空気感を歌にこめたのでしょう。