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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2024年1月13日 放送分】 |
2024年1月13日 |
【巻】…9・1708
【歌】…春草を馬咋山(うまくひやま)ゆ越え来(く)なる 雁の使(つかひ)は 宿(やどり)過ぐなり
【訳】…春草を馬が食うというわけではないが、咋山を越えてやって来る雁の使いは、旅の宿を過ぎていった
【解】…泉川(現在の京都府木津市の木津川)のほとりで作られた歌。春は草が生えて、それを馬が食べますが、歌では「春草を馬が食うというわけではないが馬咋山・・」となっています。つまり、「春草を馬」は、咋山を起こすためのものなのです。では、雁の使いとは何か。これは、中国の故事に関係していて、戦で捕らえられた蘇武という将軍が、雁に手紙を託して、生きていることを皇帝に知らせたというもの。歌の作者は、咋山を越えてやってきた雁を見て、何かを伝えてもらおうと思ったのかもしれませんが、残念ながら雁は通り過ぎてしまいました。誰に何を伝えたかったのか詳しいことは分かりませんが、通信手段が発達した現代では、生まれることのない歌ですね。
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