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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2024年2月17日 放送分】 |
2024年2月17日 |
【巻】…9・1777
【歌】…君なくは何(な)ぞ身装(みよそ)はむ 櫛笥(くしげ)なる黄楊(つげ)の小櫛(をぐし)も取らむとも思はず
【訳】…あなたがいなければ、どうして身づくろいなどしましょうや、大切な箱に入っているツゲの櫛も手に取ろうなどとは思いません
【解】…前回と同じく、石川大夫が転任する際の宴席で播磨娘子が贈った歌。櫛笥は、女性が大切な櫛を入れていた箱のことで、玉櫛笥という表現があるくらい、美しい箱が多かったようです。歌にある櫛笥はおそらく、石川大夫が播磨娘子にプレゼントしたもので、中に入っているツゲの櫛も高価なものだったでしょう。播磨娘子は、「あなたがいるから、このツゲの櫛で身づくろいしていたのに、いなくなるなら、手に取る気になれない」と、別れを惜しんでいるのです。石川大夫と播磨娘子は恋人同士だったと思われますが、一方で、二人は何の関係もないのに、宴席を盛り上げるために、このような思わせぶりな歌を詠んだ可能性もあるようで、本当のところはよく分かっていません。
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