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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2024年5月4日 放送分】 |
2024年5月4日 |
【巻】…10・1875 【歌】…春されば木の木暗(このくれ)の夕月夜(ゆふづくよ) おほつかなしも 山陰(やまかげ)にして
【訳】…春になると木陰の夕月夜はぼんやりとしている、それも山陰なので
【解】…前回に続いて、春の月を詠んだ歌です。「春されば」は、春が去ったらと訳したいところですが、「さる」は移動することで、春に移動する、つまり春になるという意味です。春になると木々の葉が茂り、木の下は陰で暗くなります。これを万葉の時代は「木暗(このくれ)」という言葉で表しました。この「木暗」にさす夕暮れの月は、ぼんやりとしていた様子。それは、木陰である上に、山陰でもあるから。くっきりした月は美しいものですが、ぼんやりとした月も雅であると、この歌は教えてくれます。
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