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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2024年5月18日 放送分】 |
2024年5月18日 |
【巻】…10・1889
【歌】…わが宿の毛桃(けもも)の下に月夜(つくよ)さし 下心(したごころ)良し うたてこのころ
【訳】…私の家の毛桃の下に月光が差しこんで気分が良い、なぜか不思議に最近は
【解】…毛桃は桃の一種で、日本在来の観賞用の植物です。庭の毛桃の下に月光が差し込んでいる光景を見た作者は、「下心良し」と感じました。「下心」は、現代では、心に秘めた良くない気持ちや企みなど、マイナスイメージをまとった言葉ですが、古代での下心は、心の奥底で深く感じている純粋な感覚を指します。それが「良し」とは、本当に気分がいいと感じているのでしょう。その状態が「うたてこのころ」・・最近なぜかずっとそうだと歌っているのです。この歌には、比喩歌と表題がついていますので、何か嬉しいことがあって、それを毛桃の下の月光に投影したものと思われます。その嬉しいことが何かは分かりませんが、ウキウキするような幸せな感覚が伝わってくる歌です。
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