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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2024年7月6日 放送分】 |
2024年7月6日 |
【巻】…10・1957
【歌】…卯の花の散らまく惜しみ 霍公鳥野に出(で)山に入り 来鳴き響(とよも)す
【訳】…卯の花が散るのを惜しんで、ホトトギスは野に出、山に入り、やって来ては声を響かせる
【解】…万葉歌では、ホトトギスと卯の花の取り合わせがよく登場しますが、この歌もそのひとつ。描いているのは、山にいるホトトギスが里に出てきて、また山に戻るというのを繰り返している様子です。里に下りてきた時のホトトギスは、あたりに声を響き渡らせていたに違いありません。ホトトギスがなぜそんな行動をするのかは「卯の花の散らまく惜しみ」と作者は分析しています。つまり、卯の花が散ってゆくのが惜しいので、少しでも多く花を見ようと何度も里に来るのだと。ホトトギスが本当にそう思っていたのかは分かりませんが、自然をよく観察していた人ならではのイメージですね。現代は、日常の忙しさで自然に注意を向ける機会が少なくなりがちですが、例えば自然の音に耳をすませてみれば、この歌のように色々なイメージが浮かんでくるかもしれません。
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