第1081回「百円均一ショップで揃う防災グッズ」
ゲスト:防災士 坂本紫音さん、防災士 坂本真理さん

いざという時に、私たちの身を守ってくれる防災グッズ。とても大切ですが、一式買い揃えようと思うと お金がかかります。今回は、そんな防災グッズを「百円均一ショップ」で揃えてしまおう!という企画です。
ゲストは、中学2年生の防災士・坂本紫音君と、母親で防災士の坂本真理さんです。紫音君は、2015年 小学校6年生で防災士の資格を取得し、当時、“関西最年少防災士”に認定されました。東日本大震災の2か月前に弟が生まれたことから、兄として、またひとりの日本人として、災害について勉強したいと思い、勉強を重ねて資格を取得したそうです。現在は、防災教室で大人顔負けの熱弁をふるいながら、防災グッズに「百円均一ショップ」の活用を訴えています。
「百円均一」には、非常用トイレや保温効果のあるアルミシートなどはもちろん、日用品だけれどもちょっとしたアイデアで防災用品に変わるものがたくさんあります。コンサートなどで使えるサイリウムライトは、ポキッと折るだけで家の中を照らすライトに。油性マジックは、持ち物に名前を書くだけでなく、火をつけるとロウソク代わりに…。スタジオでは、同じく防災士の資格を持つ千葉猛キャスターと、予算2000円以内で「百円均一ショップ」で防災グッズを揃える対決も行いました。果たして勝負の結果は…?2人の買ってきたグッズを比較しながら、紫音君の驚きのアイデアをご紹介します。
(写真上)左から千葉猛キャスター、坂本紫音くん、坂本真理さん、野村朋未キャスター
(写真下)坂本紫音くんが選んだ防災グッズ


千葉猛のひとこと
中学生防災士の坂本君、さすがでした。百円ショップの「防災用品」は食品用ラップや灯りなどいろいろあるものですね。買い物を通じて「災害が起きた時、自分にとって必要なもの」を改めて考えることは大変勉強になりました。難点はと言えば、ついつい、いろいろ他の物もたくさん買ってしまうことです。

第1080回「台風5号による河川氾濫を検証〜滋賀県長浜市」
報告:MBS 上田崇順アナウンサー

今月8日未明、台風5号による大雨で、滋賀県長浜市では1級河川の姉川が氾濫し、周辺の住民ら約550人が小学校などに避難しました。川からあふれた水が住宅街を滝のように流れる映像がテレビで放送されましたが、真っ暗な中、住民はどのように避難したのでしょうか。避難のタイミングは適切だったのでしょうか。さまざまな疑問がわいてきます。
川の氾濫には理由がありました。堤防が低くなっている「切り通し」の部分から水があふれたのです。切り通しは、橋が架かる県道を通すために設けられていて、姉川の氾濫が予想される場合は、その都度、地元自治会が板などでふさいでいました。しかし、今回は川の増水が急激で、対策が間に合いませんでした。自治会では4年前に切り通しの閉鎖を決議していたといいます。もっと早く閉鎖できなかったのでしょうか。地元の人たちの思いと今回の被害の教訓を、MBSの上田崇順アナウンサーが取材・報告します。
(写真上)氾濫した姉川
(写真下)通行のために堤防の一部が切れている「切り通し」

 
野村朋未のひとこと
暮らしの利便性といつ来るかわからない災害に備えての安全性。天秤にかけるのは難しいことかもしれませんが、昔のまま使われている”切り通し”も、昨今の雨の振り方や急な増水に対応出来るのか不安です。
土地の歴史を知ることは減災につながります。いま一度、自分たちの土地をよく知り、見直しもしていきたいですね。

第1079回「九州北部豪雨1か月〜被害は防げなかったのか」
報告:MBS 上田崇順アナウンサー

九州北部豪雨1か月で、今回も上田崇順アナウンサーの報告です。
福岡県朝倉市杷木松末地区は、5年前の「平成24年九州北部豪雨」で家屋などが被害を受けました。住民たちは、行政に対し元どおりの復旧ではなく、被災前よりも川の底を掘り下げ川幅を広げて安全を確保してほしいと望んでいましたが、「対策は十分には行われなかった」と話します。すべての山と川の防災対策工事を行うのは難しいことです。その結果、先月の豪雨で川が氾濫し、多くの家が流されてしまいました。
ハード対策の限界が明らかになる中で、注目される地区があります。杷木地区の上池田集落は、5年前の被害を教訓に避難訓練を続け、今回の豪雨でも全員が助かりました。すべての家庭に防災ラジオが配られていたこともあり、住民たちは適切に情報収集し、避難指示が出る前に自発的に避難をしました。水害から命を守るために大切なことは何か、上田アナウンサーと一緒に考えます。
 
千葉猛のひとこと
日頃から避難訓練を欠かさず続けたことで防災意識が高まり、自治体が「避難指示」を出すより前に、自主的に判断して早めに避難した集落は、家や車が流される被害が出たのに、1人も人的被害を出さなかったということです。早めの避難はまさに「命を守ること」そのものですね。

第1078回「九州北部豪雨1か月〜あの日、何が起こったのか」
電話中継:MBS 上田崇順アナウンサー

7月5日から6日にかけて福岡、大分両県を襲った九州北部豪雨から1か月となりました。36人が犠牲となり、いまも5人が行方不明で、1200人以上が避難生活を余儀なくされています。その被災地に、強い台風5号が接近しています。
今回は、被害の特に大きかった福岡県朝倉市の杷木松末地区を上田崇順アナウンサーが取材し、現地から生中継でお伝えします。岩や土砂・大量の流木が積み上がった地面、崩れた山肌。厳しい暑さの中、壊れた自宅を片付ける人々。長引く避難生活で疲労困憊の人々。取材に入るとすぐに、被災地の厳しい現状が目に飛び込んできます。一方で、あの日、どれほどの雨が降り、人々がどんなタイミングでどのような避難行動をとったのかは、じっくり話を聞かなければ見えてきません。被災1か月の現地の状況とともに、徹底したインタビュー取材で「あの日、何が起こったか」を明らかにします。
(写真)福岡県朝倉市杷木松末地区

野村朋未のひとこと
災害の経験があっても、避難行動にはなかなか結びつかないものなのですね。
「大丈夫だろう」ではなく、「大丈夫だろうか?」と考え早めの行動を心がけたいものです。
台風5号の接近でこれ以上、被害が拡大しないことを祈ります。
関西にいる私たちも安心せず、気持ちの準備はいつもしておきましょう。