第1345回「夏休みに親子で取り組む『防災おさんぽ』」
オンライン:NPO法人ミラクルウィッシュ 代表 益田紗希子さん

2018年の大阪北部地震では、登校中の児童が、地震で倒れたブロック塀の下敷きになって亡くなりました。もし、外出中や登下校時に地震が起きたら、みなさんは、そして、子どもたちは、どのように危険を避けて、どこに避難したらいいのでしょうか。
この夏休み中に、是非、親子で取り組んでほしい防災活動があります。
それは、「防災おさんぽ」です。家の周りや通学路など、いつも通っている道を親子で歩いて、危険な場所を見つけてください。普段、自転車や自動車で通っている道を、防災の意識を持って実際に歩いてみると、ブロック塀や空き家、自動販売機、家の塀の上に置かれている植木鉢など、地震で崩れたり何かが落ちてきたりする危険のある場所に気付くはずです。
また、「家の近くの指定避難所はどこにあるのか」「災害時にはどこで待ち合わせをするのか」など、夏休みは、防災について家族で話し合えるよいチャンスです。番組では、「防災おさんぽ」など、親子で取り組める防災活動を行っているNPO法人ミラクルウィッシュの代表 益田紗希子さんに話を聞きます。
 
西村愛のひとこと
今回『防災おさんぽ』に参加してみて、一緒に歩く人によってそれぞれの視点があり、ひとりで歩いた時よりも、さらに多くの気づきがありました。ゲーム感覚で楽しみながら、防災意識を高めるのもいいですね。あなたが『防災おさんぽ』で発見した注意ポイントがあれば、ぜひ番組にお寄せください!

第1344回「温暖化と豪雨災害」
オンライン:京都大学防災研究所 教授 中北英一さん

18日深夜から19日未明にかけて、山口、福岡、佐賀、大分の4県で、積乱雲が帯状に連なり豪雨をもたらす「線状降水帯」が相次いで発生しました。19日昼頃には、京都府と滋賀県で「記録的短時間大雨情報」が発表されました。
近年の雨の降り方や降る場所の変化については、地球温暖化の影響が指摘されています。気温が1度上がると、大気中の水蒸気の量が7%増えると言われます。この水蒸気の増加が、同じ場所に何度も雨雲を発生させ、停滞した長時間の雨をもたらす原因になります。15日から16日にかけては宮城県で記録的な豪雨となりましたが、海面温度の高い場所が東へと拡大していて、西日本だけでなく関東や東北地方でも豪雨が発生しやすくなっているのです。
温暖化は台風にも影響を及ぼします。気温が上がると大気は安定し、日本列島に台風が来る回数は減ると予測されます。しかし、安定した大気に打ち勝って生まれる台風は、いわゆる「スーパー台風」となり、大きな被害をもたらす可能性は高まると言われています。地球温暖化を考慮した上で、今後どんな豪雨対策が必要なのか、京都大学防災研究所の中北英一教授に聞きます。

西村愛のひとこと
地球温暖化の影響は、総雨量を増やすだけでなく、線状降水帯や台風にまで影響をもたらすんですね。気温が上がり水蒸気量が増えるため、西日本だけじゃなく、関東や東北、梅雨がないと言われてきた北海道でも2090年には豪雨が発生するのではないかとのこと!今後はどの地域でも豪雨への備えが必要ですね。

第1343回「夏休み直前!特別企画 気象予報士オススメの自由研究」
ゲスト:MBSお天気部 気象予報士 前田智宏さん

もうすぐ子どもたちが待ちに待った夏休み。今年の自由研究は、大人から子どもまで楽しめて、お天気の予測にも役立つ、オリジナルの雲図鑑を作りませんか?雲は空を見上げれば観察できる身近な自然です。夏は雲がさまざまに変化し、特に台風が過ぎ去った後などに多彩な雲を観察することができるベストシーズンです。
実は、雲の種類はたったの10種類。十種雲形(じゅっしゅうんけい)と呼ばれています。10種類の中で、直接、雨を降らせるのは、雨雲と呼ばれる「乱層雲」と、入道雲や雷雲と呼ばれる「積乱雲」の2種類です。「積乱雲」は竜巻を起こしたり、ひょうを降らせたりもします。また、「積乱雲」が次々に連なると、線状降水帯となって、短時間で局地的な大雨になるので注意が必要です。番組では、夏休み直前の特別企画ということで、MBSお天気部の気象予報士 前田智宏さんに、自由研究にオススメの雲図鑑の作り方を教えてもらいます。
 
西村愛のひとこと
前田さんのお話を聞いていると、雲の世界の奥深さを実感しました。雲を観察していると今後の天気が予想できるとのこと。『この空模様だと、このあと大雨が降るかも!』と自分で予測できれば、早めの避難もできますね。私も親子で『雲図鑑づくり』にチャレンジしてみようと思います!

第1342回「石川・能登や京都府南部 なぜ地震が続く?」
オンライン:京都大学防災研究所 准教授 西村卓也さん

今回取り上げるのは「群発地震」です。先月19日、石川県能登半島で最大震度6弱を記録する地震が発生。翌日にも震度5強の地震が観測されました。能登ではこの1年半の間で震度1以上の地震が160回以上観測されています。また、京都府南部では、3月末からの約1か月間で、最大震度3以上の地震が4回観測されました。特定の地域で、なぜ地震が続くのでしょうか。
能登の群発地震は、プレートとプレートの隙間にしみ込んだ「水」が原因と推測されています。太平洋側からしみ込んだ水が上昇して地下に水の塊ができ、これが周辺の岩盤に力を加えて揺れを引き起こしたと考えられるのです。水はプレートを滑りやすくする"潤滑油"の役割を果たすこともあり、地震が頻繁に続く原因になります。一方、京都府南部の地震のほうは、活断層を通って上昇してきた「水」が関係しているとみられます。
このような地震のリスクの解明に期待されているのが、GPS(位置情報システム)です。GPSのデータから地面がどう動いたかを観測し、地下に「ひずみ」がたまっている場所を測定してリスク評価をします。能登半島では、去年12月頃から3cmほど地面が隆起していたことが報告されています。群発地震のメカニズムとその対策について、京都大学防災研究所の西村卓也准教授に聞きます。
   
西村愛のひとこと
位置情報を知らせる『GPS』が地震リスクの解明に役立てられているとは!びっくりしました。西村さんは『活断層がない場所でも"ひずみ"がたまり、大きな地震が起きる可能性がある』と言います。どこで大きな地震が起こるかわからない!ということですね。改めて備えを見直しましょう!

第1341回「被災時のお金とくらし」
オンライン:銀座パートナーズ法律事務所 弁護士 岡本正さん

世界で起きたマグニチュード6以上の巨大地震のおよそ2割が日本周辺で発生しています。私たちはそんな地震大国に住んでいます。食料や水、携帯トイレなどの備蓄や、家具の固定など、地震への備えは万全ですか? 
災害時に最優先すべきことは命を守ることですが、命を守った後には生活の再建に取り組むことになります。「地震・台風・豪雨などの自然災害で自宅や仕事を失い、当面収入が入ってこない」「家計を支えている家族を失った」などの状況におかれたら、私たちはどうやって生活を立て直したらよいのでしょうか。
日本には、「被災者生活再建支援法」や「災害弔慰金」など、被災時に役立つ法律や制度があります。その法律や制度を知っているだけで、被災時に進むべき道と、未来への希望が見えてくることでしょう。
番組では、被災者の生活再建の実態を分析した法学博士で、銀座パートナーズ法律事務所の岡本正弁護士に、「被災時のお金とくらし」について解説してもらいます。被災時にも絶望することなく、最初の一歩を踏み出すための「知識の備え」をしませんか。
   
西村愛のひとこと
岡本さんが東日本大震災で被災した方々から聞いた『家族を失い、家も流され、これからどうやって生きていけばいいのか』という言葉。日本の各地で地震が起きている今、人ごとじゃないなと思いました。穏やかな日常を過ごしている現在だからこそできる"被災後の知識の備え"。今日から始めてみませんか?