第1131回「日本の避難所は国際基準を満たしているか」
ゲスト:弁護士 大前治さん

今月上旬に西日本各地を襲った豪雨では、最大2万8000人が避難をしました。日本の避難所の多くは学校の体育館で、エアコンや間仕切りがないことも多いのですが、その環境は海外と大きなギャップがあります。日本と同じ地震国のイタリアでは、国の官庁が責任をもって避難所の設営や生活支援を行います。2009年のイタリア中部ラクイラ地震では6万人以上が家を失いましたが、エアコン付きのテント6000張(3万6000人分)が用意され、3万4000人が公費でホテルでの避難生活を送りました。
災害や紛争時の避難所については、「1人あたり3.5平方メートルの広さで、覆いのある空間を確保する」など、国際赤十字が提唱する最低基準があります。この基準は避難者の人権を保障するもので、避難者には「援助を受ける権利」があり、国家には避難者を支援する責任があると定めています。避難所はどうあるべきなのか、避難者の尊厳を守るために何が必要なのか、この問題に詳しい大前治弁護士に聞きます。
 
千葉猛のひとこと
避難所には「国際基準」があり、体育館に雑魚寝の日本の今の避難所は国際基準を満たしていない。きちんと基準を満たせば、おそらく災害関連死は大きく減ると思います。自然災害が続いています。国は今すぐに「国際基準」クリアを避難所設置の最低条件として各種制度を整えてほしいと思います。今すぐに。

第1130回「大阪北部地震1ヵ月〜一部損壊 住民の現状」
取材報告:千葉猛アナウンサー

最大震度6弱を観測し4人が犠牲になった大阪北部地震は18日、発生から1ヵ月を迎えました。地震で3万棟以上の住宅に被害が出ましたが、その内99%が「一部損壊」です。今回の震災では、被災者生活再建支援法による国の支援はない見込みで、大阪府高槻市や茨木市は一部損壊を対象にした独自の支援策を打ち出していますが、補助額は限定的です。
住宅の基礎部分にあたる石垣が崩れる被害を受けた高槻市の男性は、修復に数百万円かかる見込みだと言います。業者の手が回らず、修復工事の予定も立っていません。また、茨木市の女性(74)は、住んでいる古い借家の瓦がずれたり壁にヒビが入る被害を受けました。借家の家主は、この住宅を取り壊す方針で、女性は立ち退きを告げられました。「この歳で借りられる部屋が見つかるのか」と、女性は不安を口にします。
地震発生から1ヵ月の高槻市と茨木市で被災住民を取材した、千葉猛キャスターが報告します。
 
西村愛のひとこと
大阪北部を震源とする地震から1カ月。一部損壊の被害が、ここまで大きいとは。修理費は500万円ぐらいになるかもしれない、との話にもびっくりしました。大変な中、お話を聞かせて下さった皆様に感謝です。不安が解消されるようなサポートが、さらに生まれていきますように。

第1129回「地区の4分の1が浸水〜倉敷市真備町で何が起こったのか」
電話:山陽新聞総社支局記者 古川和宏さん

 先週末に西日本を襲った豪雨で、岡山県倉敷市真備町では川の堤防が決壊して、地区の4分の1が浸水し、50人以上が犠牲となりました。そのほとんどが逃げ遅れによる溺死でした。
山陽新聞総社支局の記者で真備町に住む古川和宏さん(46)は、自宅が2階まで浸水し、家族とともに救助を待つという経験をしました。真備町には、6日(金)夜10時に避難勧告が出されました。古川さんは、妻や娘を避難させようと準備しましたが、ちょうどその時、近くのアルミ工場で爆発事故が起こり、急いで取材に向かいます。しかし、しばらくして川が氾濫したという知らせを受け、自宅に戻りました。そのときにはもう歩けないほど水位が上がっていて、結局、自宅は2階まで浸水。妻と娘は、ボランティアのボートで救助されることになりました。避難を始めるタイミングの難しさ、自身の認識の甘さを痛感したといいます。いつ避難を始めればよかったのか、被災してわかったことや今後の災害に備えて伝えたいことを、古川さんに聞きます。

千葉猛のひとこと
「家の2階にいる人の首の高さまで水が来た」水害のあまりの壮絶な状況に、言葉を失いかけました。「災害は最悪の想定をして、対策を考えておかなければいけない」という古川さんの言葉は重いです。そしてこれから長い復興への道のり。厳しい暑さも続いています。被災地の一日も早い復興を願っています。

第1128回「近畿で記録的大雨 土砂災害や洪水に警戒」
ゲスト:MBS気象情報部 気象予報士 吉村真希さん

梅雨前線の影響で、西日本で雨が降り続いています。気象庁は、8日(日)にかけて、広い範囲で記録的な大雨になるおそれがあるとして、河川の氾濫や土砂災害などに警戒するよう緊急の記者会見を開いて呼びかけました。大阪府では約10万人、京都府では約26万人に避難指示が出されました。大阪北部地震で震度6弱を観測した高槻市や茨木市では、瓦が落ちた住宅で雨漏りがひどくなるなど、被害の拡大に
住民たちが不安を募らせています。
台風ではないのになぜこれほど多くの雨が降るのか、命を守るためにどう行動すればいいのか、いつまでどのような警戒を続ければいいのか、MBS気象情報部・気象予報士の吉村真希さんに聞きます。
 
西村愛のひとこと
「雨がやんでもう安心!ではなく、土砂崩れは、雨がやんだあとにこそ、警戒が必要」という吉村さんのお話に、油断できないなと思いました。
生放送中にも、大雨特別警報が出ました。避難所で放送を聴いてくださった方もいらっしゃるかと思います。一刻も早く、心穏やかに過ごせる時が来ますように。

第1127回「大阪北部地震【2】〜通勤・帰宅困難」
ゲスト:東京大学大学院 准教授 廣井 悠さん

6月18日に発生した大阪北部地震で、通勤・帰宅困難者対策について考えます。今回の地震では広範囲にわたって交通機関が麻痺し、多くの帰宅困難者が出ました。さらには、通勤時間帯に発生したため、徒歩で数時間かけて出社するという人も多く見受けられました。
被災者が車やタクシーに乗り換えることで大渋滞になり、結果として緊急車両が通れないという大きな問題が生まれます。企業は地震が発生した場合の対応をあらかじめ決めておき、社員が「出社しない」という選択を取れる環境をつくることが求められています。
また、自治体などのガイドラインは、「平日の昼間に地震が発生した場合」が基本になっていて、今回のような通勤ラッシュの時間帯や深夜は想定されていません。改善が必要です。
大地震が発生すれば大阪でも200万人が帰宅困難者になるといわれます。今回の地震で改めて浮かび上がった問題について、東京大学大学院 の廣井悠准教授に話を聞きます。
 
千葉猛のひとこと
大災害発生時は、会社や学校に「行かない」これが帰宅困難者を生まないポイントです。とはいえ私は仕事柄そういうわけにはいかないのですが…。災害時に必要な人数はどれくらいで、確保はどうするか、企業は災害が起きる前からシミュレーションしておいて、不要不急な動きは避けることが大切ですね。