第1135回「水害と生活再建のお金」
電話:ファイナンシャルプランナー 清水香さん

西日本豪雨で自宅が浸水などの被害を受けた人にとっては、今後どのように生活を立て直すかが最大の課題です。被災時の生活再建のため、私たちはお金の面でどのように備えておけばよいのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの清水香さんに聞きました。
自然災害で住んでいた家が全壊または大規模半壊した世帯には、「被災者生活再建支援法」に基づき、最大300万円が支給されます。しかし、浸水が1メートル未満の場合は半壊判定になり、支給されません。公的な支援と貯蓄だけで住宅の再建・補修費用を賄うのは至難の業です。
そこで必要になるのが火災保険です。さまざまな種類がありますが、水災を補償する保険に加入している世帯は約66%。まずは自身の保険の補償内容をチェックすることが必要です。水災補償がついても、月々の保険料はそれほど大きく変わりません。また、借家に住んでいる人でも、家財や車について、水災補償のある保険を考えることは大切です。水害に備えて知っておきたいお金の話をまとめました。
 
千葉猛のひとこと
いざというときのための保険の備えを確認しましょう。そして同時に公的支援の充実も願いたいです。形は残っても水に浸かった家財は洗っても再び使えないことが多く、買いなおしが必要です。災害からの生活再建にはとにかくお金が必要です。いろいろ想定外のお金がかかるんです。お金の備えは大事です。

第1134回「大阪北部地震2ヵ月〜鉄道の復旧」
ゲスト:関西大学 社会安全学部 教授 安部誠治さん

最大震度6弱を観測し4人が犠牲になった大阪北部地震の発生から、今月18日で2ヶ月を迎えました。
朝の通勤・通学時間帯に発生した今回の地震でクローズアップされた課題のひとつが、鉄道復旧の遅れです。関西の鉄道が全線で運転を見合わせ、一時、20万人もの乗客が列車に閉じ込められました。復旧までに時間を要したことから、数時間にわたり閉じ込められたり、駅で長時間待つことになった乗客も大勢いました。南海、京阪、近鉄、阪神の各私鉄と新幹線は午後3時ごろまでに再開しましたが、大阪メトロの御堂筋線や阪急京都線、JR在来線は夜遅くまでずれこみました。関西は複数の路線が平行して走る地域が多いので、関西大学社会安全学部の安部誠治教授(交通政策論)は、「京都方面はJR、神戸方面は阪急」など方面別で優先順位をつけ、鉄道各社の連携による柔軟な対策が必要だと提言します。鉄道の災害対応と復旧について、安部教授に話を聞きます。
 
西村愛のひとこと
ネットワーク1・17 初代キャスターの関西大学 安部教授を迎えて、鉄道の復旧のお話を。なぜ、何時間も電車の中に閉じ込められたのか、疑問に思っていましたがなるほど!のお答えの数々。今後、鉄道会社と自治体の連携が進んで、帰宅困難者向けの避難施設への対応の基準が統一されますように。

第1133回「ボランティアに行ってきました」
取材報告:千葉猛キャスター

千葉猛キャスターが、岡山県倉敷市にボランティアに行ってきました。ボランティアにはさまざまな形がありますが、災害ボランティアセンターから派遣されるという最も一般的な方法をとってみました。午前9時にセンターで受付を済ませ、5人ずつのグループに分かれます。千葉キャスターが派遣されたのは、真備町の70代の夫婦の家です。1階は天井まで浸水したため、家財は全て廃棄。空っぽになった家から、重い床板をはずして庭に運び出し、乾燥させます。家人だけでは不可能な重労働です。最大の問題は猛暑。ボランティアセンターでは、20分活動したら10分間の休憩を取り、活動時間を3〜4時間に制限しています。当初は熱中症で1日に何十人も救急車で運ばれたこともあったそうで、やむを得ないことだと担当者は話します。
 ボランティアはまだ不足しています。ボランティアセンターを通した活動形式にこだわらず、できる人ができる時に、自分で能動的に仕事を探し、自由に動くことも大切です。実際に体験して感じたやりがいや課題を、千葉キャスターが報告します。
 
千葉猛のひとこと
「災害ボランティアなんてできるかなあ」と思っている方、行ってみることをお勧めします。倉敷市ボランティアセンターをはじめ、数々のボランティア団体がありますので、ぜひ自分に合った形のものを選んで。活動仲間は大勢いますし、人生の大きな経験になります。ボランティア保険加入をお忘れなく。

第1132回「豪雨1ヵ月〜SNSがつないだ支援」
電話出演:愛媛県宇和島市 山下由美子さん

西日本を襲った豪雨で、ミカンの産地として知られる愛媛県宇和島市吉田町では、各地で土砂崩れが発生し、11人が犠牲になりました。道路が寸断され、一時孤立状態になった地区もあります。浄水場に大量の土砂が流れ込んだため、この1カ月、水道は使えない状態でした。
吉田町の山下由美子さん(47)は、自宅が1メートル以上浸水し、被災者として生活再建に追われる中、フェイスブックを通じて情報発信を続けました。当初は「目の前でまさか・・・ すべてが浮かんで流されていく。胸まで水に浸かりながら1階のものを2階に上げる」と自身の被災状況。そして、「水は出ません。ベビーフード、おむつ、ミルクが足りない。いただいた水を持って帰るのも、お年寄りはたいへん」など、切実な訴え。それに応えて多くの救援物資が集まり始め、山下さんの家の前は救援拠点のようになりました。SNSの力、そして人のつながりの大切さを、実感したと言います。この1カ月、被災した人たちはどんな思いで生き抜いてきたのか、山下さんに聞きます。

西村愛のひとこと
「SNSで発信することは、最初は正直辛かった」と、山下さん。でも、目の前の被害状況や、被災した方々の声をSNSを通じて発信することで、多くの人が繋がっていく。そして支援物資を受け取りに来た人が笑顔になり、元気をもらう!大変な時こそ想いを発信する大切さを改めて感じました。