第1203回「25年を語る②~被災者を見守り続けた25年」
ゲスト:NPO法人「よろず相談室」理事長 牧秀一さん

神戸市のNPO法人「よろず相談室」の牧秀一理事長は、阪神・淡路大震災の発生直後から被災者の話に耳を傾け、寄り添い続けてきました。震災が発生したのは、定時制高校教諭だった44歳の時。避難所で、被災者の相談にのる「よろず相談室」を開設し、被災者向けの情報を掲載した新聞も発行しました。避難所解消とともに解散したものの、仮設住宅での孤独死や自殺が相次ぎ、活動を再開。取り残される被災者や高齢者をなくそうと丁寧に訪問して話を聞いてきました。震災10年を過ぎてからは、地震で心身に障害を抱えた「震災障害者」の支援にも奔走。行政が実態調査に乗り出すキッカケにもなりました。
震災発生からまもなく25年。被災者も高齢化し、多くの死に直面し続けてきて「しんどかった」という牧さんは、来年1月で活動の第一線から退くことを決めています。
「人は人によってのみ救われる」そう話す牧秀一さんをゲストに迎え、25年間の活動と今も残る課題について聞きます。
 
 
「絵本作家によるおうえんフェス 2020」ご招待
原発事故の影響を受けた子どもたちを守る「12人の絵本作家が描くおうえんカレンダー」
参加の絵本作家による
ライブペインティングや読み聞かせのイベント「おうえんフェス」
http://12ehoncalendar.com/index.html

に、大人10人、子ども10人をご招待します。
 
「おうえんフェス希望」というタイトルで、
おところ、お名前、電話番号、参加希望の人数(大人何人、子ども何人)を書いて、
メールかハガキでご応募ください。
 
【宛先】
メール:117@mbs1179.com
ハガキ:〒530-8304 MBSラジオ ネットワーク1・17「おうえんフェス」係
締め切り 12/1(日)
 
当選者には、番組から直接ご連絡します。
 
  
千葉猛のひとこと
阪神淡路大震災の被災者に寄り添い続けて25年。そのきっかけは避難所での若者の言葉だったんですね。この25年間、継続して活動を続けてこられたメンバーは牧さん1人だけだったそうです。いまも被災者の方の苦悩は続いています。牧さんの思いを若い人が継いでいってくれると信じています。

第1202回「25年を語る①~亡くなった姉への思いを歌に」
ゲスト:シンガー・ソングライター 作人さん

来年1月17日で、阪神・淡路大震災25年。番組ではシリーズ「25年を語る」を始めます。1回目は、震災で姉を亡くしたシンガー・ソングライター作人さん(35歳)です。
作人さんは小学校4年生のとき、神戸市東灘区で被災。2階建ての家の壁が崩れ、天井が落ちてきて、自身は自力ではい出しましたが、7歳上の姉が亡くなりました。きょうだいの面倒をよくみる優しい姉で、学校の先生を目指していました。その後、両親は離婚し、家族はバラバラになりました。
作人さん自身は、高校卒業後、音楽活動を始めますが、生活が安定せず、ホームレスのような時期もありました。「これではいけない」と姉の墓に参り、「Dear Sister」を作曲。姉や家族への思いを歌い続け、現在は震災の語り部として、子どもたちに自分の経験と日々の暮らしの大切さを伝える活動もしています。作人さんの25年の思いを聞きます。

西村愛のひとこと
当時10歳だった作人さん。阪神淡路大震災の発生から25 年を前に、今思うことは「姉や亡くなった方々はぼくらに生命を託してくれたのかもしれない。だからこそ、今を生きることの大切さを歌で伝えたい」と話してくれました。「ぼくにとって復興のシンボル」と語る神戸国際会館でのワンマンライブ。あなたも、ぜひ!

第1201回「台風19号から1か月~水害多発地域をどう復興するか」
取材報告:千葉猛キャスター

台風19号で吉田川の堤防が決壊し、大きな被害が出た宮城県大郷町の中粕川地区。住民の防災意識の高さと迅速な避難により、犠牲者は出ませんでしたが、今回堤防が決壊した部分は、何年も前から住民が「周囲より低い」と国土交通省に指摘し、対策を求めていた場所でした。しかし、本格的なかさ上げ工事は行われないままでした。なぜなのでしょうか。国土交通省に取材しました。
この地区は、1986年と2015年にも水害に見舞われています。大雨のたびに心配しなくてはならない地区の復興を、どう進めていけばよいのでしょうか。大郷町と住民の懇談会が、先月26日に開かれました。そこで町側から復興試案として示されたのが「集団移転」でした。水害の被害を受けやすい現在の場所で集落を復興させていくのか、はたまた集団移転か。住民は決断を迫られています。これは全国に多数存在する「水害多発地域」に共通する課題です。先週に続いて、千葉猛キャスターの被災地取材リポートです。
 
千葉猛のひとこと
普段の姿に戻った吉田川は穏やかで、あの大水害を起こしたとは信じられないほどでした。水害多発地帯の復興はどうしていくべきなのでしょうか。中粕川だけの問題ではありません。全国至るところに同じ悩みを抱える地域があります。ぜひ番組をお聞きのあなたも自分のこととして考えてくださいませんか。

第1200回「台風19号水害...避難した理由、しなかった理由」
取材報告:千葉猛キャスター

台風19号で、宮城県大郷町では、町の中央を流れる吉田川の堤防が決壊し、100戸以上の家々が浸水、約40戸が全壊の判定を受けました。しかし、早い段階でほとんどの住民が避難行動を開始し、一人の犠牲者も出しませんでした。行政の避難指示や勧告が出ても避難を始めない人が多いことが全国的な課題となっているいま、大郷町ではなぜ速やかな避難ができたのでしょうか。千葉猛キャスターが現地で取材したところ、これまでの浸水被害の経験から、自主防災組織がしっかりしていて、避難訓練や声かけが徹底していたことがわかりました。
それでも、課題は残っています。多くの人が避難する中、自宅に残り、ヘリコプターなどで救出された人もいたからです。彼らは、避難しなかった理由について、「飼い猫を置き去りにできない」「家に残してきた犬が心配になって家に戻った」などと話しました。ペットを飼っている人が適切なタイミングで避難するには、どうすればいいのでしょうか。現地取材で浮かび上がってきた課題を考えます。


番組で紹介した
3.11福島原発事故による影響から子どもたちを守る
「応援カレンダー」(1部1000円)の購入や原画展の情報です。

https://12ehoncalendar.com/
 

西村愛のひとこと
地域の自主防災組織での避難訓練や声かけ、さまざまな対策があったからこそ、一人も犠牲者を出さなかった大郷町。でも、ペットとの避難は課題だという話が。一緒に避難できる場所や避難の方法、早急に考え、解決しなければいけないことだなと実感しました。