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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2019年12月7日 放送分】 |
2019年12月7日 |
【巻】…2・103
【歌】…わが里に大雪降れり 大原の古(ふ)りにし里にふらまくは後(のち)
【訳】…私の里に大雪が降ったよ、大原の古ぼけた里に降るのは後だろうけどね
【解】…天武天皇が藤原夫人に贈った歌。当時、天皇の妻たちは、飛鳥のあちらこちらに住んでいましたが、その1人である藤原夫人は、飛鳥の東側の山斜面にある大原という丘に住まいを構えていました。この歌で天武天皇は、大原を古ぼけた里と表現して、「私の住んでいるところ(現在の飛鳥宮跡周辺)には雪が降ったけれど、あなたの所は後になるでしょう」と、からかっています。これに対し、藤原夫人は104番の歌で「私が住む丘の竜神に言いつけて降らせました雪のかけらが、たぶんそちらに散ったのでしょう」と応じています。これらは、いわば二人がじゃれ合って詠んだ歌。仲が良かったからこうなったのでしょう。また、飛鳥に雪が降ることはそんなに多くありませんから、雪景色にワクワクした気持ちが、このようなやりとりを生んだのかもしれません。いずれにしても、約1300年前の男女の姿が活き活きと伝わってくる作品です。
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