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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2020年7月11日 放送分】 |
2020年7月11日 |
【巻】…7・1381
【歌】…広瀬川袖つくばかり浅きをや 心深めて吾(あ)が思へるらむ
【訳】…広瀬川は袖つくばかりに浅いのに、私は深く深く思っています、あの人のことを
【解】…広瀬川は奈良盆地の西側を走る川。立って渡っても袖が濡れるくらいの水深でしかないと、この歌は詠んでいますが、広瀬川のことを伝えたい訳ではありません。川が浅いことを持ち出しながら、自分の恋心はそんな浅いものではないですよ、と表現しているのです。人の心は見えないものですから、「あなたのことを思っています」というだけでは、本当かどうか分かりませんので、目に見える川の深さを引き合いに出すことで、イメージしやすくしたのかもしれません。
ところで、上野誠さんの著書「万葉学者、墓をしまい母を送る」が、 第68回エッセイスト・クラブ賞を受賞しました。 もしよかったら読んでみてください!
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