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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2020年10月24日 放送分】 |
2020年10月24日 |
【巻】…10・2170
【歌】…秋萩の枝もとををに露霜(つゆしも)置き 寒くも時はなりにけるかも
【訳】…秋萩の枝もたわむばかりに露霜がおりて寒い寒い時節になったことだよ
【解】…「ををに」は、重みで倒れ込んでいる様を表現する言葉で、花が咲いてその重みで茎がしなったり、稲が穂の実りとともに頭を垂れるのが、そのいい例です。この歌の場合は、秋萩の枝に露霜がついて「ををに」になっているとのこと。実際には霜が降りるような気温では、露も霜になるので、露と霜が同時に秋萩につくというのは考えにくいのですが、露と霜が同時に存在しそうな時期、つまり秋から冬へと季節が移ろうとしている瞬間を、作者は「露霜」という表現でとらえたのではないでしょうか。そしてそれが、「寒くも時はなりにけるかも」という言葉を引き出しているのです。四季がある国では、季節が変化するが故に毎年毎年、発見があり、それが新しい歌へとつながっていくのでしょうね。
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