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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2024年3月2日 放送分】 |
2024年3月2日 |
【巻】…9・1779
【歌】…命をし真幸(まさき)くもがも 名欲山(なほりやま)岩踏(いはふ)み平(なら)し またまたも来(こ)む
【訳】…命は無事であって欲しい、名欲山の岩を踏みつけて平らになるほど何度も何度もやって来ますよ
【解】…前回は、藤井連の転任の宴席で女性が詠んだ歌をご紹介しました。当時の役人は、転任後は、同じ赴任地に戻ってくることはほぼありませんでした。ですので、恋人であったであろう女性にとっては、永遠の別れになります。「明日から私は恋しく思うでしょうが、あなたは、名欲山の岩が平らになるくらい勢いよく踏みつけて、都に意気揚々と向かうのでしょうね」と、少しすねた気持ちがこもった歌を贈りますが、それに藤井連が返したのがこの歌でした。山越えは命がけだったので、もし命があれば、自分は何度も何度もあなたの元へ帰ってきますよ、名欲山の岩が平らになるくらい・・という内容です。女性が名欲山の岩を持ち出してきたので、それを誇張してユーモアを含めて返したのでしょう。この歌を受けて女性は、少しは気を取り直したのでしょうか。
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