|
|
|
|
|
|
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
|
|
|
|
|
|
【2020年11月28日 放送分】 |
2020年11月28日 |
【巻】…10・2297
【歌】…もみち葉の過ぎかてぬ子を 人妻と見つつやあらむ 恋しきものを
【訳】…もみじ葉ではないけれど、見過ごすことができないあの子を、人妻だからといって見過ごすことができようか、こんなに恋しいのに
【解】…紅葉は、みるみるうちに色づき、みるみるうちに散ってしまうことから、この歌の「もみち葉」は、次の「過ぎる」を起こす枕詞になっています。作者は、普通なら何も意識せずに通り過ぎていた場所で、ある女性に釘付けになった様子。まさに「過ぎかてぬ子」と出会ったのです。一目惚れですね。しかしその女性は、着物などから人妻と分かるのですが、それでもやはり「過ぎかてぬ」と思えるくらいの恋をしたと、歌に詠んでいるのです。作者はこの後、女性に声をかけたのかどうかは分かりませんが、恋が成就しなかったからこそ、このような歌を作ったのかもしれませんね。
|
|
|
|