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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2021年9月4日 放送分】 |
2021年9月4日 |
【巻】…8・1565
【歌】…わが宿の一群萩(ひとむらはぎ)を 思ふ子に見せずほとほと散らしつるかも
【訳】…私の家の一群萩を、愛しいあの子に見せないままに、もう少しで散らせてしまうところだった
【解】…大伴家持が、日置長枝娘子(へきのながえをとめ)から贈られた歌(1564番の歌)に応えて詠んだもの。日置長枝娘子の歌は、「秋らしくなると尾花の上に置く露のように、消え入るばかりに私は思われることよ」という内容で、家持と長い間会えないでいることの寂しさを訴えています。いわば、ラブレターのようなものですね。これに対し家持は、庭先にある一群の萩「わが宿の一群萩」を、「思ふ子」に見せないままに散らせてしまうところだったと歌っています。「思ふ子」とは、愛しい女性、つまり日置長枝娘子のことで、ラブレターをもらわなければ、一緒に庭の萩を見る機会を逸するところでした、と返しているのです。この後、実際に二人がデートをしたのかどうか、どこにも記録は残っていませんが、きっと楽しい時間を過ごしたことでしょう。
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