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｢上野誠の万葉歌ごよみ｣ |
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| 【2024年1月6日 放送分】 |
2024年1月6日 |
【巻】…9・1705
【歌】…冬ごもり春べを恋ひて植ゑし木の 実になる時を片待つわれぞ
【訳】…冬ごもり春べを恋して植えた木が、実になる時をひたすらひたすら待つ私です
【解】…春は、色々なものが始まる季節。今回は、そういった期待感がこめられた歌をご紹介。作者は、冬ごもりが終わった後にやってくる春に恋焦がれるような気持ちで木を植えました。そして、その木がやがて花を咲かせ、実になる時をひたすらに待っています。ただこの歌は、木の成長を詠んだものというよりも、「恋ひて」「片待つ」という言葉が入っていることから、恋模様を重ねたものと思われます。つまり、出会いがあってから、恋の花が咲いて、やがて心が通い合って実がなるように恋が成就する。そんな日がやってくることをひたすら夢見て歌ったのでしょう。
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