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「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2019年5月4日 放送分】 |
2019年5月4日 |
【巻】12・3117
【歌】…門立(かどた)てて戸も閉(さ)したるを 何処(いづく)ゆか妹(いも)が入り来て夢(いめ)に見えつる
【訳】…門を閉めて戸も閉じているのに 一体どこからお前さんが入って来て、夢に見えたのかな
【解】…門立ててとは、門があって扉があって、そこに長い棒を刺して鍵を閉めていること。 何処ゆかとは、どこからかという意味。 夢の中で、自分は戸を閉めているけど、どこからか君が入ってきているという状態。 どうやって来たのかその答えとなるのが、その次の歌である巻12・3118に記されている。 歌:門立てて戸も閉したるを 盗人の撮れる穴より入りて見えけむこれは、戸は閉まっていたけれど、泥棒さんが堀った穴から入って来たんですよという意味。 夢には2つあり、1つは自分が相手を想ってみる夢と、2つめは相手が自分のことを想っていて自分の夢に入って来るということ。 盗人という言葉を用いた歌は万葉集の中でもほとんどなく、お茶目でとても珍しい歌です。
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