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〒530-8304 ＭＢＳラジオ
｢上野誠の万葉歌ごよみ｣ |
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| 【2019年9月28日 放送分】 |
2019年9月28日 |
【巻】…8・1580
【歌】…さ雄鹿の来立（きた）ち鳴く野の秋萩は 露霜負ひて散りにしものを
【訳】…さ雄鹿がやって来て鳴く野原の秋萩は、露霜を受けて散ってしまったのだよなあ
【解】…文忌寸馬養（あやのいみきうまかひ）という人が、天平10年（738年）の8月20日（今の9月20日ごろ）に詠んだ歌2首のうちの1首。雄鹿、秋萩、露、霜と、秋を代表するものが勢ぞろいしています。万葉集では、萩は雄鹿の妻と表現されるくらい、両者は密接な関係ですので、文忌寸馬養は「秋萩は、露霜が出てきたので、そろそろ散ってしまうなあ。雄鹿は寂しいだろうなあ」などと思いをめぐらせて歌を作ったのでしょう。今の奈良公園でも、秋が深まった時期には同じような光景が見られ、1300年前の馬養の情感とつながる瞬間が、きっとあるにちがいありません。
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